第一章『魔物の蠢動』その18

テスラの森4

探求者フィロン

「やれやれ、あの生物め。あたり一面、手当たりしだいに壊して行きおった。

壊された物を捨てに行くより、壊れてない物を運搬屋に持たせて一緒に引越した方が早いな、これは。」

探求者フィロン

「なんだね？　化物なら勝手に向こうへ行きおったぞ。片づけを手伝わないならどいてくれ。」

クエスト『森の深淵へ』クリア

探求者フィロン

「なんだ、ファーゴの奴、下らんことばかり気にする。だから愚痴が収まらんのだ。

まぁいい。貴様が来た事は、あとでファーゴに言っておく。それでアイツも落ち着くだろう。

さっさと帰るがいい。」

探求者フィロン

「何だまだそこにいたのか、貴様。何か用件でもあるのか？」

――ティナに言われたとおり地下遺跡のことを尋ねた――

探求者フィロン

「あぁ、あの遺跡か。何年も前に、ほとんど発掘しつくされたはずだ。めぼしい物などもうなかったろう？

なんだ、魔族が住み着いていたのか。発掘前の遺跡に居座らないだけ、まだあいつらにも礼儀はあるらしいな。

理由？　単にすごしやすいと思って、住んでいただけではないのかね？　魔族にも家くらい要るはずだ。

仮に何か遺跡を探していたのなら気の毒に。あの闇の生き物どもも、人間の強欲さを見誤ったと言えるな。

あそこにはもう何もない。隠し部屋があったとしても、ベアレが中身を持っていったはずだ。

で、ワシとしても貴様に割く時間はほとんどないんだが、この講義をまだ続けさせる気かね？」

――魔族の残した言葉を、フィロンに詳しく伝えた――

探求者フィロン

「レガリア⁉

確かにレガリアと言ったのか？　その魔族が……ふむ……そうか。

気が変わった。講義を続けてやろう。魔族の狙うレガリアについてだ。

……と言いたいところだが、本当に、状況が状況でな。

時間がないのは事実なのだ。

レガリアの話を聞かせる代わりに、一つ頼まれごとを引き受けてくれ。ある杖と手帳を取り戻す仕事だ。

例の化物が持っていってしまってな。アレに持たせても玩具にしかならん。だが、ワシにとっては大事な物だ。

杖は講義に必要だし、手帳は今後の研究を手早く済ませるのに必要だ。

そもそも貴様は例のソード・オブ・オルクスだろう？　隊長あたりに頼めば人手はあろう。

どうせあの生物は王国軍が血眼で捜している相手だ。遅かれ早かれ討伐隊が組まれる。

ついでで杖と手帳を取り戻して、ワシの所に持ってくるだけで良い。そうしたら詳しく教えてやろう。

貴様の隊でこの森に出た例の魔物を倒し、ついでに奴が持っていった革手帳と古い杖を持ってこい。」

探求者フィロン

「あの生物が持っていったのは、革手帳と古い杖じゃ。よく憶えてお前の隊に伝えて来るがいい。」

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