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第二章『北の賢者』その8

フォーゲル山脈1

 

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ホレッへ

「……。」

 

ホレッへ

「なんだい?

ずいぶんとまぁ、奇妙なものを下げているね。」

 

エスト『シトルイユという村』クリア

 

―魔物は腐ったレモンの腰に下げられていた、鈴を見ている―

 

―なんと金色だったヴワの鈴は、いつの間にか骨を組み合わせた、気味の悪い塊になっていた―

 

ホレッへ

「どうせ、マミルートかココットかカスロルあたりからもらっちまったんだろう?

分かるさ、あの娘らはあたしの孫だからね。馬鹿息子のフルッシュがこさえた割には、あたしによく似てるよ!

なんだお前、あの娘らが魔物だってこと知らなかったのかい?

相変わらず人に化けるのが上手いもんだよ!

どうせお前、あの娘らに不用意に望みを言っちまったろ?

それでこんな物をもらっちまったんじゃないのかい?」

 

―ホレッへにシトルイユでのことを話した―

 

ホレッへ

「ふん。そりゃお前、もうどうあっても、フォーゲルブルグに、辿り着くしかないね。

フォーゲルブルグに行くという願いを言っちまった以上、それを果たさなきゃあね。

さもないとろくなことにはなるまいよ!」

 

ホレッへ

「なんだい?

あたしに言ったところで、一度願い事をしちまったものはどうしようもないよ。

魔法は一度かけたら、そうそう消せるものでもないからね。

それともまさか、そのヴワの鈴を、あたしに預けて逃げる気かい?

せいぜい道の向こうにいる、あの光くさい人間のところに行くまでが限度だと思うがね!

試してみるかい?」


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―ホレッへに気味の悪い骨の塊を渡した―

 

ホレッへ

「まぁ、したいようにすればいいさね。

無駄だと思うがね……。」

 

 

 

 

 

 

 

 


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僧侶アガトン

「人っ⁉

あぁ……確かに人ですね。幻でも見たかと思いましたよ。」

 

僧侶アガトン

「街の英雄の骨も拾えないとは、不甲斐ないものです。」

 

エスト『ヴワの鈴』クリア

 

僧侶アガトン

「何か私にご用ですか?」

 

―腐ったレモンは腰に妙な物体がぶら下がっているのに気づいた―

 

―いつのまにか、骨で出来た鈴が戻って来ている―

 

僧侶アガトン

「どうかされましたか?」

 

僧侶アガトン

「あぁ、気をつけてください。

そこは、雪に隠れて見えませんが、急激な斜面が……って、あっ。」

 

―腐ったレモンは斜面に足を取られて、しりもちをついた―

 

―腰に下がっていたヴワの鈴が地面に触れる―

 

―次の瞬間、大地を揺るがす、恐ろしい咆哮が鳴り響いた―

 

僧侶アガトン

「なんてことだ‼

こんな轟音を立てては、ヴルムが来てしまう‼ 何と言うことか……

若い冒険者よ。

今から私がする話を、よく聞いてください。

生き残るために必要なことです。」


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僧侶アガトン

「いいですか。この山道には、ヴルムと呼ばれる、恐ろしい存在が現れます。

あなたがいくら腕の良い冒険者だったとしてもヴルムとまともに戦おうとしてはいけません。

引き返して、二度とこの山道に足を踏み入れないか……。

どうしても先に進むのであれば、ヴルムに見つからないように、慎重に先へ進んでいくのです。いいですね。

どうしてあなたが提げている物が、ヴルムそっくりの鳴き声を立てるのかは分かりません。

しかしヴルムはきっと同胞に呼ばれたと思って、あなたを追うでしょう。

それと、ヴルムに見つからずにこの山道を進むためには、山について知る必要があります。

この先にいる甲冑をまとった方に助言を煽るといいでしょう。

私も彼に色々と対処を教わり、私もここまで辿り着きましたから。いいですね。」

 

 

 

 

 

 

 

 

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