第一章『魔物の蠢動』その21
エルツィオン旧街道1
ベルナルドから
上官ベルナルド
「まったく、ニノの奴には手を焼かされる……。どうしたらあれだけ昼間に眠れる?」
上官ベルナルド
「あぁ君、不用意にこの辺りを散策しないほうがいい。例の魔物が出るかもしれない。」
クエスト『太古の杖』クリア
上官ベルナルド
「何だって⁉ 君も魔物を倒しにここに来たのか。ふむ。私だけではなかったか。私以外にあの魔物を探している者が、この地にたどり着いたとなるといよいよ、この旧街道は怪しいな。
あぁ、自己紹介が遅れたな。私はガレリア王国軍上等兵ベルナルドという。
知っていると思うが、例の魔物は3年前ガレリア王都を突如襲い、以降も度々街に出没している。
だが、居所がまったくつかめない。頻繁に王都に来るということは、王都の近くに巣があるはずだが。
王都近辺で、我々に見つからずに済む場所は限られている。例えば、番兵が怠け者である場所とかな。
それでだ、この街道は本来、私の部下が番をしているのだが、……あの男、居眠りが酷くてな。正直まともにこの道が封鎖できているとは言いがたい。つまり、そういうことだ。
それで君の方は何故……ふむふむ、魔物の残留物から推測したのか。賢いな。
しかし、手帳や杖を持ち去るとは、またずいぶん奇妙な魔物……ん? 杖?
一つ尋ねるが、手帳は見つかったとの事だが、杖の方は見つかっているのか?
……見つかっていないのなら、とても慎重で大切な話がある。」
上官ベルナルド
「聞いてくれるか?」
上官ベルナルド
「いやその……ついさっき、そこに古そうな杖が落ちているのを見かけてだな。ほら、そこにある奴だ。
いや待て‼ 動くな。動かずに聞いてくれ。
私は数時間街道を捜索していたが、10分前にここに来たときに、こんなものは落ちてなかった。
つまりだな、杖が落とされたのは、ほんのついさっきかもしれない。つまり……その、魔物は、ひょっとするとだな、まだ我々の近くに……」
――その時、草の茂みにいた何かが立ち上がった。あの手帳にあった図と同じ姿の魔物だ――
上官ベルナルド
「精霊よ、あなたが私に与えたのは魔を屠る栄誉か、はたまた無慈悲な死か……私があいつを引き付けよう‼ 君は杖を拾うんだ。大切な杖なのだろう?
また持っていかれないうちに拾いたまえ‼ さぁ、早く‼」
――腐ったレモンは杖に駆けつけて拾い上げた。杖が燃え上がる――
上官ベルナルド
「どうしたんだ⁉ これはいったい……おい、君⁉ しっかりしたまえ‼」
ガレリア王都
小隊長ティナ
「気がついてよかった。まったく。どうなることかと思ったわよ。
一応報告を聞いておくわね。あなたをここへ連れてきた、王国軍の兵士から大体聞いたけど。」
クエスト『運命との出会い』クリア
小隊長ティナ
「えぇ。聞いていたのと同じね。確認が取れたわ。ありがとう。
杖はあのあと燃えつきて灰になってしまったみたい。今あなたが持っているその灰の塊よ。
そう、それが元々はあの杖。あなたを助けた兵士が、持ってきてくれたのよ。あの兵士には世話になったわね。みんなあれくらいまともだったら、王国軍もマシになるでしょうに。」
小隊長ティナ
「さてと……あなたにどこから説明したものか。気絶していた間のことを話すわね。
あなたを連れてきた兵士の話だと、例の魔物はあなたが杖を取った後、突然怯えて逃げ出したって……。
奇妙な話……で済めばよかったけど、例の魔物以外は逆に、あなたに引き寄せられて集まり出したのよ。
まぁどれもこれも弱い魔物ばかりで、退けることは難しくなかったそうだけど。
あの杖を拾ってから異変が起きたってのは確かみたい。後でフィロンに、じっくり聞いてみるべきでしょうね。
それでね、手帳とこの燃えカスを、フィロンのところへ持って行きたいのは山々なんだけど……ちょっと今、異常事態なのよね。ほら、逃げたって言ったでしょ。例のあの魔物。
あちこち逃げ回ったらしくて、王都の近くでも「大きな魔物がうろついている」って噂になってるわ。
なんで今、そんな所に……とは思うけど。結局捕えきれずに逃げられたみたいだけど、今、ちょっと厳戒態勢なのよね。
当然私達はガレリア王都を護らなきゃならない。でもひょっとしたら、あの魔物も、旧街道に戻っているかもしれないでしょ?
できればそっちにも人を割きたいし、色々手を回してみたの。とりあえず、どうにか一人は派遣出来る事になったわ。
以前話したけど、今王国は地質調査団を各地に派遣していて、旧街道にも一人送ったらしいの。一応護衛はつけていたらしいわ。でもその護衛ともども、戻って来ないのよ。
今のところこの騒ぎだし、魔物にてこずって戻ってこれないのかもしれない。
大事な調査員は救出が必要でしょ。でも、救出に行くにしても、今は隊から一人しか送れない。
それなら有能な人に任せるべきよね。病み上がりのところ悪いけど、もし戦えそうなら、あなたにお願いしたいの。
無理なら仕方ないわ。でも今があの魔物を追う、数少ないチャンスでもあるの。
ひとまずの目標は、もちろん地質調査員の救出。でも同時に魔物の足跡も探す。これだけやってのけるのは、並の隊員じゃ無理ね。
あなたレベルじゃないと。
腐ったレモン、エルツィオン旧街道に向かってくれない?」
小隊長ティナ
「旧街道は私の背後を真っ直ぐ南へ突き進めば入れるわ。とりあえずは行方不明の調査員を探して。
一応これが第一目標だから。それから魔物の足跡も追うの。難しいけど、同時にお願い。
あなたなら出来ると思う。
オルクスのストーリーってmmoの中ではダントツの面白さだと思ってるんだけど、文章ルールとかはめちゃくちゃだよね。誤字やら漢字の統一やらつなぎやら。
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