序章『エリシア年代記4章2節』
セタ=グリア 外壁前
かの人物に関する文献は極めて少ない。
出自も、生い立ちも不明。
ただ一説によれば、若年期の頃、
当時セタ=グリアと呼ばれていた地に
居住していたはずなのだという。
現在ではどこにあったのかも不明だが
島には様々な人が住む貿易の中継都市があった。
この都市からかの者の足跡は始まるという。
同僚レイナ『先ほどの転倒で、頭を打たせてしまったようだが大丈夫か?
大丈夫なようだな。安心したよ。私の頭上にシナリオを進めるメインクエストアイコンが出ているのが分かるか?』
軽い操作説明
同僚レイナ「歩行に問題はなさそうだな。先ほど地震が起きて足場が崩れた時、自ら転倒してまでかばってくれたのは助かった。恩に着る。
ところで明日の仕事は君とペアだと聞いた。君は充分戦えるだろうが……、念のため戦闘手順の確認をしたい。いいかな?」
同僚レイナ「そうだな……では丁度この辺りにいる「オピオン」を倒してみてくれないか?」
再び操作説明。スキル説明回避説明
またちょっと変わりましたね
同僚レイナ「戦闘において急な反撃等のイレギュラーを完全に避ける事はできない。だが避ける努力を怠った者から死んでゆく。
……悪い。我々動詞で努力について話すのは、魚に泳ぎを教えるようなものだった。おや? 君はもしかすると、先程の戦闘で……?」
同僚レイナ「あぁ、やはり新たなスキルを習得したのか。想定外だが悪いことではないな。戻る前に新しい技を試してみるか?」
コンボ説明
同僚レイナ「私達はつくづく戦うしか能がない者の集まりなのかもしれないな。他の暮らしは思いつかずとも、戦闘の技は閃くのだから。
先程のように連続攻撃を確実に決めれば私も君もイレギュラーな事態を避けやすくなるだろうな。
あぁ、もう日も暮れるし、明日に備えてもう街に戻り……いや、何か様子がおかしい。……イレギュラーだ。一度街から距離を。」
都市の陥落。
当時としては珍しくもない話。
セタ=グリアの自警団は瞬く間に壊滅。
本土からの救援は望むべくもなく、
離島に閉ざされた人々は
逃げる先もないまま虐殺されていった。
セタ=グリア島
同僚レイナ「あれは……島全体が陥落するのは時間の問題に見えるな。町へ近づくのは自殺行為だ。
港が駄目なら島の外へは出られない。手詰まりかもしれないが……。その時はその時だ。気にしても仕方はないが……。」
同僚レイナ「逃げ場を探せるだけ探そう。あぁ、いや少し待って欲しい。確か使えるものがあったはずだ。
あぁ、これだ。私はこれを扱えないが、君の得物としては使えると思う。」
同僚レイナ
「今、君が持っているものより、品質は勝るはずだ。」
同僚レイナ
「品質は勝るはずだが扱いもしていない武具、保障はできかねる。大物に会わない間に使いがっての確認をした方が良いだろう。」
同僚レイナ
「後ろは私が担当するから、前方の「ラフレシア」を先ほどの武器で倒してくれ。どの道退路の邪魔だ。」
倒す。
同僚レイナ「君も私も、命が大事ならここにはいない。今更怖くはないだろうが。
武具に問題ないのならこのまま行こうか。」
同僚レイナ「この島を攻めているのは噂に聞く闇の勢力なのだろうな。そうなれば最悪の場合、魔族も出てくるかもしれない。
港以外の場所に、何か使える船があればいいのだが……。ともかく海岸付近を探そう。街はもう駄目だろうしな。」
同僚レイナ「このまま先へ行こう。あまり離れるな。せめて死ぬ時くらいファミリーとして、同じ場所にいたいだろう?」
セタ=グリア島 沿岸部
船員モデスト「生き残っていて、武装してるってことは、普通の連中じゃないな?
よくもまぁ、こんな所に逃げ込もうなんて考えたもんだよ。船があると分かってたのか?あるよ、船は。たどり着ければの話だけどな!」
船員モデスト「すでに出航してたってのに、馬鹿げたうちの船長が、助けられる奴がいるかもしれないってこんな所でいかりを下ろしやがったんだ。
生き残り探しに行かされた挙句、でかい化け物に帰り道を塞がれた俺の身にもなれ。あいつのせいで、俺は無駄死にだ!!」
同僚レイナ「なるほど。出港に邪魔なのはあの化け物。ならば片付ければいい。私は彼を守るので、君が攻め手に出るのが最適だろう。
デカブツ相手なら、隙も大きく見切りやすい。君なら利用するのは容易いだろう。」
船員モデスト「ささいな善意のせいでこんな危険な目に遭うなんてな。
こんな武器抱えて、しかもあれを倒しちまう。……あんた、一体何者……いや、今はそれどころじゃないか。
よし、今のうちなら船が出せる。小船を出す瞬間は隙だらけだが、今なら‼
今すぐ二人とも乗ってくれ。出航にかかる時間を考えるともう後がない。今すぐ乗らなければ俺達もろとも死ぬからな。」
同僚レイナ「こちらの岸辺はまだ船がつけられる。ならば君はテロウス本島へ救援を呼びに行ってくれ。私はその間に街の人をこっちまで誘導する。」
同僚モデスト「……だそうだ。ほら、急ぐぞ。俺はもう待たないからな。」
同僚レイナ「汝が命に翳りなきことを 同志の命に限りなきことを」
船員モデスト「どこの組織も必ず言う文句だなそれ。ほら、小船に乗った乗った。」
かくして商船アクィラ号に乗ったというかの人物。
救援要請の希望だったアクィラ号は、皮肉な事に舵が故障し、
大陸にたどり着いたのは
襲撃の半月後の事であったという。
乗り込む時には
思いもよらなかったであろうが……。
商船アクィラ号・船室
謎の女ミルラ「良い嵐ね。ごきげんよう。この船では、あなたが一番強そうね。武術の腕に覚えがあって?
あの島はもう終わり。人類史から消える。そう決まってしまったわ。……あら、信じないのかしら?
生き延びたら分かるわ。それも難しいけどね。今外からこの船は攻め込まれようとしている。多分あなた達はここで死ぬ。他の船員達も。
残念ね? でも今もしあなたに、闇の勢力を打ち滅ぼす力があるなら、この船にいる人達が魔物に殺されるのは看過したあなたのせいよ。」
謎の女ミルラ「力には責任が伴う。あなたはどうするのかしら?船上へ上がって魔物を蹂躙してみる?」
商船アクィラ号・船上
書いてたら死にかけたwww
船員ヴェルカント「これは……凄いな。あんたが俺の船に乗り込んだ魔物どもを全部蹴散らしてくれたのか?あんたこの船に逃げ込んできた人だよな? ……あぁ、えーっと……」
oh……
船員ヴェルカント「腐ったレモンか。いやいや、あんた一人でほとんど倒しちまったじゃねーか。
一騎当千もいいところだ。こんなおとぎ話みたいなことが本当にあるんだな。」
船員ヴェルカント「本当に助かったよ。この事は恩に着る。
あぁ、舵が壊れてやがる。あいつらが壊していきやがったのか。港にたどり着くには時間がかかるだろうよ。……いや、このアクィラ号が残っただけでも精霊に感謝すべきなんだろう。」
アクィラ号上にて魔物を退けたのが
本当に歴史の渦中に投げ込まれた
かの人物なのかは、誰にも分からない。
逸話の主は、無名の旅人だったのか、
魔宮の探検者として後に活躍したのか、
アリーナの覇者たる戦士として名を馳せたか……
ただ一つだけ、確かな事がある。
この後、激動の時代が幕を開ける。
らーれみふぁそらーそーれーらーどーしーそれーみー♪