娘っ子とレモと私。
とがとがに尖っていたかったの。娘っ子の頃はね。
娘っ子時代ってリアルが死ぬほど病んでる時期で、その頃の私は「生きていたいけど、自分は生きていちゃいけない存在なんだ」って本気で考えていたの。馬鹿でしょう? 意味わからんでしょう?
でもそん時は本当に辛くて、自分には人権がないような気持ちがずっとしていて、そういう思考回路を永遠としてたの。抜け出した今だから言えるけどね。
だからこそ、娘っ子時代はリアルの私とは完全に切り離した存在である「娘っ子」として電子の世界で遊んでるのがよかった。
故にリアルの個人情報が透けるようなことは一切そん頃は出さなかったし、一番世話になったギルドで最初に男だと勘違いされても、面白いからそのまま否定せず、むしろ周りが勘違いするように演じてる節もあったわけで。
私でない存在であればあるほど、そういった「娘っ子」でオルクスの世界にいればいるほどその間は楽だったんだよ。
ロールプレイを楽しむのもmmoの醍醐味だろとも思ってるし。これは今でもそう。また新しいmmoを始めることがあったらきっと私でない虚構の存在を演じると思う。
それがレモちゃんに転生する時に、前とわけのマスター、レモが敬愛する人がいるんだけどもね、その人にもっと等身大で生きなよって言われてね。一理あるしやってみるかって思って、そっから段々段々丸く、オルクス内の人格と私に隔たりが消えてきたのよ。
転生して二年たったの。このくらいの時だったもん転生したの。
最初の頃はまだ娘っ子の虚構を演じる癖が抜けなかったけど、今じゃ随分等身大で生きれるようになった。ただ、そのせいで中の人像がとっても透けるようになったけどね。
でもそれもそれでいいかって思えるようになったの。今じゃ中の人の性別も隠さないし大体の年齢も皆知ってるし、ほんとに仲いい人はレモの素性知っとるし。
今のレモちゃんもよく病むけど、娘っ子時代のあの生きちゃダメなんだっていう最悪の自己劣等感からはちょっと上に浮上したから、全然マシ。
仕事で多少ミスろうが、今日のバンド練習ベース下手くそすぎてダメダメだったって落ち込もうが、恋愛関連の感情で沈もうが、娘っ子時代の病みと比べたらとっても健全だもの。
娘っ子の頃は意識してオルクスでの人間関係をそんなに大事なものだと思わないようにしてたのよ。だって基本はオルクスを辞めてしまえば連絡も取れないような、引退した相手のことなんて相当仲良くない限りは半年もすれば忘れちゃうような、そんな希薄なものだから。
でも段々年数重ねて思い出増えればそりゃどんどん大事になってきてさあ。今じゃリアルの関係と同じくらいオルクスの人間関係も大事になってるの。
レモちゃんはオルクスには依存してないけど、オルクスの人間関係には依存してる。だからもうやることないなって思ってるけど、ずるずるオルクスやってるし。
オルクスがサ終わりしても、皆Twitter消えずにここにいてくれればいいのになあって思ってるよ。んでたまにはお話できたらいいのになあ。
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