第一章『魔物の蠢動』その4
ガレリア王都
小隊長ティナ「あら、こんにちは。
あら、この間のセタ=グリア島から脱出してきた人よね? こんにちは。ガレリアはどう?
あの後色々とあなたの噂を船員から沢山聞いたわ。嘘か本当か分からないものも混ざっていたけど、あなた人気者ね。
あ、薬草? そう……いつもありがたいわ。
あれ……でも待って? あなたつまり、さっきまでガレリア大草原1にいたのよね? ニコレッタさんの薬草を届けてくれたんだもの」
―言葉を濁したティナの視線が一瞬、上空をさまよい、こちらに止まった―
―腐ったレモンは、ガレリア大草原を回ってきたことをティナに説明した―
小隊長ティナ「あなた、名前は?」
―腐ったレモンは名前を教えた―
小隊長ティナ「腐ったレモン。あなた……幸せの木まで行って、護衛を請け負って回ってたの? そう……どうやらあの船を救った英雄とやらがいたという胡散臭い噂……嘘じゃなかったみたいね。
……これは王国軍のヤツらに目にものを見せてやれるかもしれない……。
あなたの力が必要とされているわ。そう、ソード・オブ・オルクスは今優秀な人材を求めているの。
あなたにそのつもりがあれば、今度試験を受けてみてちょうだい。その時がきたら、わたしに会いに来て。
ソード・オブ・オルクスは、魔物たち含む闇の勢力を打ち滅ぼすもの。とても危険だけれども、世界の命運を背負った組織よ。組織は資格さえあれば、個人の過去は一切問わない。
資格は「悪しき力と戦う熱意を持っていること」「精神状態が安定してること」「14歳以上であること」……以上よ。
ただし、ガレリア支部を任されている、わたしからは一つだけ。この条件さえ守れれば、他の資格は目をつぶってもいいくらいよ。
条件は「自分の身は自分で守れること」。それだけよ。
腐ったレモン。あなたに闇の勢力を制す旅に出る覚悟があるならば……。案内役のエルモにそう伝え、その実力を見せてちょうだい。エルモはこの街の南西にいるわ。銀の髪に眼鏡をかけているのは彼くらいだからすぐに分かるはずよ。」
小隊長ティナ「それじゃあ、よろしくね。腐ったレモン。」
やべぇこの名前だとティナさんに貶されてる感がすごくするww
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